細部にこだわることの重要性――20代広報兼社内ライターが趣味の観劇を通じて感じたこと
こんにちは!ASUE株式会社広報担当のN村です。
さて、ASUE株式会社採用ブログでは先日新シリーズとして、「ASUEの朝礼」なるものを始めました。
朝礼ってどういうこと?と思われると思いますが、ASUEでは会社の理念やバリューなどについて各々が日々の生活や業務の中で感じたことをお話する「理念共有」という時間がございます。
その内容を紹介しよう!というのが、この「ASUEの朝礼」シリーズになります。
ということで、今回は僭越ながらわたしが珍しく全体朝礼でお話した際の内容をご紹介したいと思います。
趣味から感じた「細部へのこだわり」の重要性
さて、わたしのTwitterをご覧になっている方はご存知かもしれませんが、わたしはある趣味に仕事外の余暇を投じています。
それは、ミュージカル鑑賞です。
「わたしの可処分時間はミュージカルのもの」――と言っても過言ではないレベルで、かなりの頻度、土日に東京や大阪に行ってはミュージカルを観ています。
さて、そんな観劇を通して、「細部にこだわることがどれだけ大切か」ということを改めて実感したお話を今日はさせてください。
愕然としたダブルキャストの差
ミュージカルをご覧にならない方にはあまり馴染みがない言葉だとは思いますが、「ダブルキャスト」というものが日本のミュージカル界にはある。
正確には、二人であればダブルキャスト、三人であればトリプルキャスト、四人であればクワトロキャスト……と言うのですが、公演期間中に同じ役を複数人が交代で演じる――というもので、これ自体は長期間のハードな公演をやるにあたって、メインキャストを演じる役者の負担軽減という側面もあるが、各キャストを観たいと思うファンをリピーターにするための「チケットを売る」施策である面が強い制度である。
※ちなみにブロードウェイ等、海外では代わりにスウィングというものがあり、一定期間は役者がシングルで固定されているのが一般的です。
この「ダブルキャスト」制度は一部から批判もある一方、わたしのようなファンはこの制度によって楽しみなことがある。
それが、「キャストによって生まれる解釈の差」だ。
いくら同じ演出がついたからと言って、複数の役者が全く同じように同じ役を演じることはないので、それを楽しもう――というファンが多くいる。
さて、少し前に何度か観劇したある作品ではこのダブルキャストが採用されていた。
そしてそのダブルキャストの役を演じたのは、片方はわたしの好きな役者さん、もう一方は初めて観る役者さんだった。
わたしは前者を何度か観た後で、一度だけ後者でも観劇したのだが、そこで驚いたことがあった。
大筋の役作りにおいて前者の方が好きなのは、そもそもわたしの好みの話なので言うまでもない。
全体を通して、「もう一人もよかったけど、やっぱりわたしは〇〇さんが好きだなぁ……」とわたしは感じていた。
しかし、その役がメインではないあるシーンで、わたしは愕然とした。
そのシーンでその役の人は、怪我をしている中立ち上がって袖に捌けていくのだが、わたしが元々好きな前者の役者さんは明確に怪我をしていることが感じ取れる動きだった。だが、後者の役者さんの回で、彼はスッと立ち上がってスタスタ歩いて舞台袖へと捌けていった。まるで、怪我なんてなかったかのように。
そのときのその役は舞台の端にいて、別の役者が中央で台詞を言ったり歌を歌ったりしていて、正直その役にとってはあまり重要なシーンではない。その役自体の見せ場のシーンは別にあって、そのシーンはとてもよかったし、そのシーンで彼は緊張が緩んで少し気が抜けてしまっていたのかもしれない。
でも、すっかりその世界観に心を投じていたわたしは、スタスタ歩く彼が視界に入ったとき、一気に現実に引き戻されるのを感じた。
本当に末端の末端にした、ちょっとした演技の差異。
それだけで人は違和感を感じてしまう。
「細部にこだわる」こと。
こだわっているものを見せられている間は気付かない程度のことだったかもしれないようなことでも、その「ほんの少しのこだわり」が、観る側にとって実は大きな影響を与えるんだ、ということを実感した瞬間だった。
「魂は細部に宿る」――とある漫画に登場した好きな言葉
同じような話で、とある漫画でテレビの制作会社に勤めるADの男性が、ドラマの撮影時に主人公が読んでいる新聞としてスポンサーの会社の新聞を小道具として使おうとするシーンがあった。
そのドラマの主人公は、仕事に対して真面目ではない性格。
かたやスポンサー会社が発行する新聞は(架空のタイトルから察するに)日経新聞や産経新聞のような、比較的お堅い経済系の新聞だ。
恐らく、そのドラマの主人公が読んでいなさそうな新聞だったが、そのADは「スポンサーだから……」とその会社の新聞を選び、結果、現場で怒られて「スポンサーの新聞で使えるのがないならそれっぽいのを自分で作れ!」と言われる――という顛末だった。
そのとき、彼が上司から言われるのがこの「魂は細部に宿る」という言葉だ。
小道具の新聞――なんていうのは、実際にドラマを見る側からしたら些末なことだけど、細部が締まっていないものは作品全体がぼやけて見える。そしてそれは、見る人の「つまらない」にも繋がってくる。
「うまくいかなければ見抜かれて文句を言われ、うまくいけば気にも留められず誰にも気付かれない仕事」と、作中でその上司が言っていた。
コンテンツを作る――というときに、大切なのはそこにどれほど敬意を払い、労力を注げるかどうかなのかもしれない。
細部にこだわれる人でありたい
さて、わたしは現在、ASUEでオフィシャルサイト内のブログ「ASUE通信」の編集を行ったり、今ご覧いただいている採用ブログを書いたりしている。
採用ブログは社員にインタビューしたり、採用や仕事に関するASUEの考えをわたしがいちから文章に起こしているが、ASUE通信は他の社員が書いた業務の記事を「Webマーケティング」や「Web広告運用」に関係ない人も楽しんで読んでもらえるように――というのを目標に、編集を行っている。
先日、わたしがWebマーケティング課のメンバーと作った記事は、(ASUE通信の特徴の一つでもある)ネタ的な意味では、かなりの力作だった。
――けれど、いつもと比べてシェア数が伸びなかった。
社内のミーティングではそもそもの本題である、業務の内容部分の詰めが甘かったのでは――ということになった。
先日、期が切り替わった際に「業務関連の記事を月1本あげよう」という目標をASUE通信編集部で立てていて、今月中に1本あげなくては!という気持ちで作った結果だったと思う。
月に1本ブログをアップ――はただの手段であって、目標は”量”ではなく”質”だったのに。
それなりに時間をかけた記事が思うようにいかなかったのは少し手痛いが、いい勉強代だったのだ――と感じている。
どこをとっても、「細部にこだわる」ことを意識して、これからもコンテンツを作っていければ――と考えている。
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広報のN村
ASUE株式会社の広報担当・広報のN村。 2016年に彗星のごとく現れWebコーダーとして入社し、フロントエンドを担当した後、文才を見出され広報に異動する。業務中は大体鼻歌を歌っている。